横須賀ドブ板通り「GREEN」店長が語る「スカジャン」の起源、歴史と現在

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サテンや別珍の生地のジャンパーに、イーグル・タイガー・ドラゴンなどのオリエンタルなデザインの刺しゅうを施した「スカジャン」。

昨今、ファッションシーンに於いても広く注目を浴びている「スカジャン」の起源は意外と古く、その起源は第2次世界大戦直後の1940年代後半まで遡ることになります。

スカジャンは当初「スーベニアジャケット」「スーベニールジャケット」と呼ばれ、その名の通り横須賀をはじめとする戦後米軍が駐留した街にて「お土産物=スーベニール」として売られていました。

(↑1950年代頃の横須賀ドブ板通り風景 所蔵:ドブ板商店街商店街振興組合)

米兵たちの間では、いかにもオリエンタルな雰囲気のイーグル・タイガー・ドラゴンなどの刺しゅう絵柄が人気を博し、また自らが所属する海軍部隊のエンブレムや空母の絵柄を入れてオーダーメイドで仕立てることも流行となった。米兵たちは日本に駐留した記念・お土産物として「スーベニアジャケット」を米国本国へと持ち帰った。朝鮮戦争からヴェトナム戦争にかけての時代、多くの米兵たちが横須賀に駐留していた時代が「スーベニアジャケット」の人気のピークであった。

(↑1950年代頃の横須賀ドブ板通り 自転車に乗る米海軍水兵 所蔵:ドブ板商店街商店街振興組合)

時代は変わり1970年代に入ると「スーベニアジャケット」は日本の若者たちに注目を浴び始め、また映画やドラマなどでも人気の俳優たちが「スーベニアジャケット」を着こなし、スクリーンの中に登場するようになりました。その頃から「スーベニアジャケット」は横須賀で手に入るモノという認識から、日本の若者たちに「横須賀で売ってるジャンパー」=「スカジャン」という愛称で親しまれるようになりました。

(↑1960年代頃の横須賀ドブ板通り・ローズ商会前 今日でも現存する唯一のスーベニアショップ 所蔵:ドブ板商店街商店街振興組合)

1990年代に入ると若者たちの間でアメリカンカジュアルウェアいわゆる「アメカジ」が流行し、米国からジーンズやシャツなどの古着が大量に日本へと輸入されることとなる。巨大なコンテナに詰められたアメリカ人の古着の中には、かつて日本から持ち帰った「スーベニアジャケット」も紛れ込み、30〜40年の時を経て日本へと里帰りする「スーベニアジャケット」も数多くあった。それらの古着の絵柄を資料に、日本で再び昔懐かしい「スーベニアジャケット」の復刻を手掛けるメーカーも出て来ました。

(↑1960年代頃の横須賀ドブ板通り ライブハウスの前を歩く米海軍水兵 所蔵:ドブ板商店街商店街振興組合)

そして二十一世紀を迎えると、スカジャンは日本国内の人気にとどまらず、パリコレクションなどにおいてもヨーロッパのファッションブランドが独自にデザインしたスカジャンを発表し、世界的なファッションシーンにおいても注目を浴び始めることとなります。また、かつては「強面」で「イカつい」イメージのファッションを象徴するのが「スカジャン」であったが、今日においては若い女性の間でもファッションアイテムとして人気を博し、「カワいく」「カッコ良く」着こなし親しまれるようになりました。

(↑1960年代頃の横須賀ドブ板通り カメラに対し陽気にポーズを取る米海軍水兵 所蔵:ドブ板商店街商店街振興組合)

横須賀発の「スカジャン」は70年以上の伝統と歴史を持ちながら、二十一世紀の今日でも作り続けられ、世界へとトレンドを発信し続けているファッションアイテムです。

スカジャンにそんな横須賀の歴史とストーリーを感じながら、みなさまに自由に楽しくスカジャンを着こなしていただければ大変嬉しく思います。

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GREEN 横須賀ドブ板通り

横須賀ドブ板通りにあるジーンズ&アメカジのセレクトショップGREEN。 こちらのページでは、わたくし店長・川口が厳選チョイスしたアイテムを少しずつご紹介! 服にまつわるストーリー、思い、そのコーディネイトや、実店舗のある横須賀の街の魅力についても書いていきたいと思います。 お付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。 ショップ公式ページ https:///www.green-os.com

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